私の友人の橋本京明はよく転職をする男でした。転職の理由は、「会社が潰れた」や「給料に不満がある」や「キャリアアップがしたい」などがありますが、最近の不景気の日本社会では転職というものは中々成功しません。にもかかわらず橋本京明が転職に成功し続けているのは資格獲得にあるのだと私は思っています。橋本京明に会った時に聞いた話ですが、彼が最後に取得した資格は『宅地建物取引主任者』、通称、宅建の資格でした。
宅建は不動産業に欠かせない資格ですが、金融業や他の業種にも幅を利かせることができる、転職に有用な資格なんだそうです。宅建は日本で最もポピュラーな国家資格で毎年20万人以上が受験しています。去年は23.3万人でした。その中で合格率は僅か15~17%しかないと言われています。
医師の国家資格合格率が90%と言われていますので、かなりの難解さとも言えそうです。ただし、日本三大難解国家資格の不動産鑑定士は合格率が僅か1%ですので、それに比べればまだ優しいと言えるかもしれません。その合格率15~17%の宅建ですが、橋本京明は何と一回の受験で合格したそうなのです。学生時代から橋本京明は勤勉家でしたので、彼が合格するのは当然だと思っていました。
驚くべき所は、なんと橋本京明は職に就いたまま宅建に合格したということです。彼の当時の仕事はかなりのハードワークでしたので、よく勉強する暇があったと思いましたが、通勤の電車の中や休み時間を利用してコツコツと勉強していたそうなのです。宅建は転職に有用な資格と書きましたが、現在橋本京明は宅建の資格を利用して実家の仕事を引き継いでいるそうです。転職を繰り返した橋本京明でしたが、これにて終身雇用になりそうだと私は思っています。